2014年12月29日月曜日

セルフビルドの遺伝子 高知

更新、大変遅くなりましたが、本年の仕事納め(納まってませんけど)は、
にぎわいづくりのヒント探しに、高知へ。

檮原で見つけた、電気屋さんの上に乗っかっている、
セルフビルドのデッキ?温室?秘密基地???
店主のおやじさんが、10年ほど前に築き上げた、名建築。
単管と木のハイブリッドなデッキに、開閉式窓。
風の影響を受けないよう、空気が通るようにあえてしているとのこと。
物干しに干し柿に、春にはデッキを広げてその上に盆栽・植栽などを飾ったり、
イルミネーションしたり、花火の日には、上に上がって、焼肉やBBQ。
雨水タンクもついていた。


ちなみに、檮原町は、隈研吾さんのデザインの歴史的変遷もよくわかる。


日曜市は、300年続く、大手筋での数百軒が並ぶ市場
(他の曜日他の場所で毎日市が行われているとか)。
早朝に軽トラで、フレームとビニール、台に売り物を持ってくる。
フレームはテント屋さんに手配したとか(お餅を売るおばあちゃん談)。
庇も深く、高さも低く、密なヒューマンスケールが生まれる。

高知の夜のグリーンロードの中央分離帯には、屋台が突如建ち並ぶ。
植栽帯の立ち上がりもうまく用いた檀上席もあったり、カスタマイズで
柔軟に屋台ができあがる。朝になるとサッパリときれいに。


かの有名な沢田マンション。
詳細は省くが、究極のセルフビルド集合住宅。時間の積層が、建築を築く。
ここでは、問題は問題ではなく、未来への足掛かりなのだと、勉強させられる。


旧土佐山村は、冬で野草は出てないし、ソフト的な情報がないとその価値はわからないが、
かつては、集落住民自らが立ち上がり、集落経営を志し、ホテル開発を考え、
おもてなしのために野草整備や諸々をしたと聞いている。
近年は、新たな動きが入り込んだため、地元からは、?が出ているようだが、
当初の地域の想いが受け継がれることを望みたい。


蔵には水切り瓦と呼ばれる数列の薄い瓦庇がついている。
台風や雨風から漆喰壁を守るための所作。 

本州を見ずに、南に広がる太平洋に対峙して暮らす土佐のまち。
自分たちで自分の暮らしは組み立てる、セルフビルドの精神が、
多様性のある魅力を生み出しているようだ。