2012年8月14日火曜日

デザインソウル(その1)

サッカー、バレーと、ロンドンオリンピックの場でライバルと熱戦を繰り広げた日韓戦。
都市デザインや創造都市としても、両国の各都市は、熱戦を繰り広げています。

李明博大統領が市長時代から、都市デザインを契機とするデザイン政策の展開を始めたソウルでは、様々なレベルでのクリエイティブな取組みが花開いています。
2003年から2005年にかけて、高速道路を撤去して市民の憩いの場として蘇ったことで有名な
清渓川には、平日休日問わず人が集まり、夜でもたくさんの人が水辺に集まっています。



ソウル市は、李市長ののち、呉市長のもとで、「デザインソウル」政策をさらが開始され、、
2010年世界デザイン首都に選定されてからは、さらなる発展を遂げているとともに、
来年には、ソウルデザイン財団が運営する、ザハ・ハディド設計のデザイン産業総合施設(デザインに関する展示・コンベンション・情報他の総合センター)として東大門デザインプラザ(DDP)が竣工を迎える予定であり、きっと世界に誇るデザイン空間ができあがることでしょう。



何より、ソウルのデザインを支えているのは、市民の活気とにぎわい、民の力です。
80年代以降、ソウル大学の跡地に、非常にたくさんの演劇の場が集積した劇場街、大学路(テハンノ)は、休日でもたくさんの若者で盛り上がりを見せています。若者がチケット売りに奔走するその姿に、若者が自由に(かつ能動的に)活動できるにぎわいの場を感じます。



一方、その周辺の市街地では、生活改善とアートの融合した梨花洞駱山プロジェクト、



トラックに載せた記事が丘に運ばれ、丘の町工場でつくられたものが東大門のファッションマーケットで売られ、そこでの職人の飲食店が麓に並ぶような、ファッション産業街など、



決して洗練されたものではないですが、自由な空気が新たなクリエイティブの風をふかせる活気を感じることができます。

「都市の空気は自由にする」(意味と背景は異なりますが)、中世都市に向けたこの言葉は、今の都市を見ても心に刻み込まれます。

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