2012年7月16日月曜日

積み上げと都市の読み込みを仕事にする

『新建築2012年7月号別冊』は、「森ビル 建築から都市へ」ということで、
森ビルのこれまでのプロジェクトの歴史を取りまとめた秀作です。

ナンバービル(第○×森ビル)時代から現代に至るまで、成長する際に
どんな技術的創意によりクリアしてきたかが整理されています。

都市の形態としてのあり方の是非についての議論は、他に譲るとして、
小さな一か所の不動産から始まり、一つ一つの課題を乗り越えつつ成長する
その姿に、起業とイノベーションのヒントを感じます。

ある意味素人として始めた貸家業から始まり、設計監理の重要性、
価値ある設計の意義、構造設備の合理性、専門家との協働性、
法制度(情報)を駆使した開発、プロジェクト執行に向けての実験の積み重ねなど、
各プロジェクトを通じて得たノウハウを蓄積してこれを積み上げてゆく様子が見えてきます。

また、ある意味で地域情報を読み込み、表通りから裏通りまで、
それぞれの地域属性をおさえて考えるその手法は、「空間型コミュニティ」(広井良典氏)
への指向性を感じます。
ある駐車場会社も、都市空間を読み込み、駐車場の満車率がちょうど9割になる道を
選びながら配置をしているという話もあります(いつも満車だと止めなくなるから)。

都市の読み方を身に着けると、起業も夢ではないかもしれません。

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