2012年7月2日月曜日

DAIKANYAMA T-SITEと代々木VILLAGE(その2) ~穏やかな商業再生~

もう一つ、穏やかな商業再生の事例、代々木の「代々木VILLAGE」です。

こちらは、かつての代ゼミ跡地を再生したものです。代官山とは、大人と若い女性などのターゲット層の違い、もともとストリートとして集まる旧山手通りと、代々木駅直近でありながらも受験生しか来なかった裏であることなど、条件も異なるため、評価は各人異なるでしょうが、取組みの興味深いところだけ記します。

こちらは、代ゼミ本部校の統廃合が決まったところで、コーポラティブハウジングなどの都市再生を手掛ける会社への相談を経て、表参道のレストランでも手掛けるkurkku(Mr.childrenなどをはじめとする音楽のディレクターである小林武史氏がてがけるブランド)とのコラボレーションが実現したようです。


5-10年の暫定活用であるこのプロジェクトでは、コンセプトとしてサスティナビリティー(持続可能性)をデザインでも表現するという意味で、再利用可能なコンテナを用いたとのこと。
トータルデザインには、インテリアデザイナー片山正通氏(ユニクロ、NIKEなど)、ランドスケープには、植物卸売業「花宇」5代目西畠清順氏など、こちらも様々な人たちがかかわっています。

特に、「そら植物園」と呼ばれる、花宇の植物コンサルティングプロジェクトの中で、敷地のランドスケープに、とても珍しい植物が配されているのが特徴的です。
「ロマネコンティの種」「育つのがとても早い蘇鉄」「ギターの素材であるエゾ松」「4000年以上の松の苗」「世界一大きくなる木」など、不思議な植物が植えられており、一つ一つの解説を見ながら、時間を滞留する人たちが多く目立ちます。


単に、にぎわいを、直接販売する空間や、人の多さ、イベントの回数などを通して考えるのみならず、こうした、何の変哲もない(一見にぎわいのない)外部空間に、人々を惹きつけるような価値を生み出し、その結果が、最終的にも持続性つながる、そんな外部空間の価値づけのあり方も、今後の都市では問われてゆく大切な要素かもしれません。




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