2012年9月7日金曜日

シャレットワークショップ開始

9月5日より、いよいよ日本建築学会シャレットワークショップがスタートしました。

以前お話しした通り、 今回のシャレットは、三重県松阪市で行われています。

北は弘前、南は山口から建築・まちづくりなどを学ぶ大学生・大学院生、
総勢23名で夜通し議論や計画提案を進めています。

蒲生氏郷によって開かれた城下町松坂は、
城下町の特徴をよく表す扇形の都市構造(城郭・武家地・町人地・寺社地)と、
これを貫く二本の直交する街道筋(伊勢参りの参宮街道と、紀州徳川藩へ向かう紀州街道)が組み込まれた計画的な都市構造に、近代以降の駅前空間がさらに重なりあって出来上がっています。



橋を超えるとまっすぐと続く参宮街道は、伊勢参りの時は最大7万人/日も通ることもあったとのこと。今では、空き地も増えていますが、当時の参宮街道の面影を感じるとともに、街の南端に歓楽街があり、北端にはお寿司屋や旅館が残るのは、かつての黒門付近にあった遊廓の痕跡も偲ばせます。

また、松阪は、三井家をはじめとして、小津家・長谷川家・長井家など、江戸に店を構える豪商の郷でもあり、民間の力を感じるとともに、御城番屋敷と呼ばれる元武家たちが集まって作った郷士会社によるコーポラティブハウジングの先駆となるような住居もあり、現在のまちづくりの主流であるエリアマネジメントの萌芽をすでに有しているところが特徴でもあります。

さらには、松坂の木綿商の家に生まれ、町医者をしながら、国学者として活躍した本居宣長の暮らしをトレースすると、まちに眠る潜在的な糸が見えてくるかもしれません。

現在、中間発表に向けて、5つのチーム
A:全体マスタープラン
B:駅前周辺と再開発ビルを含めた駅間リニューアル
C:寺社地とフリンジ空間
D:町人地と豪商の家再編
E:武家屋敷と武家地活用
のようなグループに分かれて、各自提案を進めています。

初日には、松阪市長(若い!)との会合・懇親をフランクにしてくださり、
中間発表にもおいでになられる予定です。

(写真はなぜかUPできないので、そのうち更新予定)


0 件のコメント:

コメントを投稿