2012年9月16日日曜日

歴史的記念物の日(パリ)

ヨーロッパでは、9月の土日になると、各都市で、歴史的記念物の公開が行われます。

「歴史的記念物の日」(European Heritage Day/Journees du Patrimoine)と呼ばれるこのイベントは、普段入ることのできない歴史的建造物等が、9月中下旬の土日二日間程度、無料で一斉公開になるイベントです。

1984年にフランスに始まり、その後諸国に広まった後、1991年、欧州評議会(Council of Europe)によって、ヨーロッパ全体の取組みとして位置付けられ、今日に至るイベントです。

今年のフランスでの歴史的記念物の日のテーマは、「隠された遺産」ということで、地下遺産、普段見られないもの、埋もれた遺産などが公開されます。

パリでは、今年は、9月15-16日の土日に行われています。
新聞風のプログラムには、300に及ぶパリ市内の施設と、そのほかパリ郊外の施設が掲載されており、その中には、この日のために特別公開される建物なども含まれています。


朝からHotel de Ville(パリ市庁舎)には、公開を待つ長い列が並んでいます。


中に入ると、普段入ることのできない、荘厳な大空間が広がっています。
市長の執務室や議場などを観覧しつつ、


広間では、市庁舎を普段から守る、清掃、床、看板、鍵、椅子などの職人が、普段自分たちが行っている職人としての仕事について語ってくれました。伝統だけでなく、こうした建物が様々な職人たちの手によって今でも小さく手を加えられていることがよくわかります。写真は、「床職人」の仕事。



また、まちなかでは、中世に建てられた、小さな邸宅、ハーフティンバーのファサードが見える
中庭などを特別公開していました。
中では、こうした建物の保全活動を行う中間組織(アソシアシオン)の方が詳しく解説をしてくれました。



リヨン駅(Gare de Lyon)では、普段入ることのできない時計塔にのぼり、時計塔の歴史と駅の変遷についてのレクチャーをうけ、リヨン駅から旅行を促す長いフレスコ画についての解説を聞きました。時計塔は、バスティーユからも見えるように、通りの軸線に合わせた位置に建てられています。


積み重なる都市の魅力を紐解くために歴史的建造物を巡り、都市の歴史を学び、
愛着を産むための取組みがヨーロッパの都市中に広がっています。

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