2012年8月31日金曜日

YCCスクール開校

去る、8月30日、ヨコハマ創造都市センター(通称YCC)にて、「YCCスクール」の開校式が
執り行われました。

「YCCスクール」とは、横浜国立大学、横浜市立大学、横浜市、横浜市芸術文化振興財団の4者が連携して、「創造都市・横浜」をテーマに、次世代の担い手育成、共同研究や教育活動などをおこなってゆくプログラムのことです。

昨年度末まで、「北仲スクール」と呼ばれる、文化芸術と都市デザインの研究教育プログラムが行われていましたが、その精神を受け継ぎながら、創造都市に関する取り組みを進めてゆくものです。

まだ走り始めたばかりなので、具体的なあり方はこれからですが、今年度は、
連続講義(都市計画特論:横浜市大鈴木伸治先生)や、シンポジウム(都市イノベーションシンポジウム)、展覧会、ワークショップなどが予定されています。

まず、そのこけら落とし第一弾として、
「失われた街 -3.11のための模型復元プロジェクト」展が本日(8/31)から開催されています。
主に首都圏の大学生によって作成された、東北の町や三陸海岸の集落再現模型が展示されていrます。
このほかにも、毎日、トークイベントが開催され、
被災地(気仙沼市大沢地区)からの報告や、ヨコハマでの復興の取り組み、横浜と石巻のコラボらレーションなど、様々なイベントが用意されています。
明日(9/1)には、YCCスクール・アーキエイドシンポジウム「被災地で大学・専門家ができること」が
18時~20時で開催されます。

予約等もあるようですので、
http://www.losthomes.jp/yokohama/
のサイトをご覧ください。


2012年8月19日日曜日

デザインソウル(その2)

前回の続きです。


清渓川の一部に、高速道路の高架の橋梁が残されているところがありました。
ここに高速があったこと、そして、自由の場が生まれたことが示されています。
一方で、清渓川の水は、ポンプアップして浄化したものを改めて流しているようで、
自然ではない部分もあるようです。

そして、ソウルの自由と活気は、平日でも24時間に渡るようです。
夜遅くなっても、にぎわいは減ることなく、活気が溢れています。



また、各地域至るところに、美術館、ギャラリー、オルタナティブスペースなどが
溢れており、どこに行っても、文化的な空間に遭遇することができます。
その運営は、民間企業や小さなギャラリーのような民間空間に始まり、
財団(ソウル芸術文化財団)などが運営するアートスペースにいたるまで、
様々な空間が広がっています。


企業が運営する美術館に(西村地区)、


小さなギャラリーにある草間彌生の展示(西村地区)、



アートスペースなど。



韓国語では「パ(ル)リパ(ル)リ」(早く早く)という言葉があるようですが、
いいと決めたら、すぐに実行する、どんどん広がるスピード感があるのかもしれません。



2012年8月14日火曜日

デザインソウル(その1)

サッカー、バレーと、ロンドンオリンピックの場でライバルと熱戦を繰り広げた日韓戦。
都市デザインや創造都市としても、両国の各都市は、熱戦を繰り広げています。

李明博大統領が市長時代から、都市デザインを契機とするデザイン政策の展開を始めたソウルでは、様々なレベルでのクリエイティブな取組みが花開いています。
2003年から2005年にかけて、高速道路を撤去して市民の憩いの場として蘇ったことで有名な
清渓川には、平日休日問わず人が集まり、夜でもたくさんの人が水辺に集まっています。



ソウル市は、李市長ののち、呉市長のもとで、「デザインソウル」政策をさらが開始され、、
2010年世界デザイン首都に選定されてからは、さらなる発展を遂げているとともに、
来年には、ソウルデザイン財団が運営する、ザハ・ハディド設計のデザイン産業総合施設(デザインに関する展示・コンベンション・情報他の総合センター)として東大門デザインプラザ(DDP)が竣工を迎える予定であり、きっと世界に誇るデザイン空間ができあがることでしょう。



何より、ソウルのデザインを支えているのは、市民の活気とにぎわい、民の力です。
80年代以降、ソウル大学の跡地に、非常にたくさんの演劇の場が集積した劇場街、大学路(テハンノ)は、休日でもたくさんの若者で盛り上がりを見せています。若者がチケット売りに奔走するその姿に、若者が自由に(かつ能動的に)活動できるにぎわいの場を感じます。



一方、その周辺の市街地では、生活改善とアートの融合した梨花洞駱山プロジェクト、



トラックに載せた記事が丘に運ばれ、丘の町工場でつくられたものが東大門のファッションマーケットで売られ、そこでの職人の飲食店が麓に並ぶような、ファッション産業街など、



決して洗練されたものではないですが、自由な空気が新たなクリエイティブの風をふかせる活気を感じることができます。

「都市の空気は自由にする」(意味と背景は異なりますが)、中世都市に向けたこの言葉は、今の都市を見ても心に刻み込まれます。