2014年4月18日金曜日

モノづくり交流会

昨日4月17日、東京のモノづくりに関わるイベントや取組みを行っている
各地域の人たちの集まる、「モノづくり交流会」が開かれました。

数年前から、徒蔵(御徒町~蔵前)エリアで、「モノマチ」と呼ばれる
モノづくりのまちづくりイベントを主催する、台東モノマチエリアのみなさんの
主催で、この会は行われました。

台東区のこのエリアには、「台東デザイナーズビレッジ」(通称デザビレ。旧小島小学校を改修
して使用。ここは、関東大震災後の震災復興事業において、小学校と公園が
 一体となって整備された、52の復興小学校+復興小公園の一つ。)
と呼ばれる、革製品や、鞄、靴、ファッション系のクリエイター・デザイナー
インキュベーション施設があり、「台東モノマチ」は、この施設の施設公開を契機として、
デザイナーズビレッジのマネジメント行う、デザビレの鈴木村長を中心に始まり、
地元のモノづくり関係者、商店など諸々を巻き込んでどんどん拡大して発展したイベントです。

そして、このモノマチメンバーを中心に、様々な都内を中心としたモノづくりのまちづくり
ネットワークが広がりつつあり、我々が行っている「おおたオープンファクトリー」をはじめとした
「大田クリエイティブタウン研究会」(クリ研)にも、お声がかかったため、この会に参加しました。

この会には、モノマチやクリ研のほか、

A-ROUND (台東区:革や鞄職人も多い、浅草エリアでのモノづくりめぐりイベント)

スミファ(おおたオープンファクトリーをヒントに、墨田区の幅広いモノづくりを体感する
     オープンファクトリーイベント。廃材を魅力あるモノに変える配財プロジェクトも。)

アスメシ会(荒川区:若手経営者が考える「明日の飯の種を考える」会)

葛飾区町工場物語(葛飾区:玩具のモノづくりのまちが、「マンガ」で魅力を伝える)

ものこと市・ものこと祭り(世田谷代田のシャッター商店街の前で行う集団行商?)

などなど、たくさんの魅力あるモノづくりのまちづくりを行う諸地域の方々が一堂に介しました。

そのほか、経産省の方や、マーケティングやプロモーションを行う会社の方なども、
交えて、楽しく、各地域の活動を紹介しました。

今後、日本全国のモノづくりのまちのネットワークができて、
この魅力ある技術と資源が発信され、
「価値づくりのまちづくり」が広がることを期待します。




2014年4月11日金曜日

環境都市デザインスタジオS2014開始。

横浜国立大学大学院都市イノベーション学府建築都市文化専攻では、
大学院の中でも、実践的「スタジオ」教育が行われています。

建築系では、建築の構造に関するスキルを高める「建築構造工学(SE)スタジオ」
歴史や計画に関わる「建築理論(AT)スタジオ」とありますが、都市環境系では、
「環境都市(UE)デザインスタジオ」を開講しています。

今年度も、「環境都市デザインスタジオ」が始まりました。



今年度のテーマは、「創造的郊外」。
横浜市・相鉄HDさんとも連携して、相鉄いずみ野線沿線の郊外まちづくりを考えます。

横浜市は、高度経済成長期、あふれる都市人口を吸収する、いわばベットタウンとして
整備された郊外住宅地が多数存在していますが、縮減時代にさしかかった現在、
これらをどのように再編・継承・縮小してゆくかが問われています。

これまで、横浜に豊かに存在した郊外の谷戸、丘陵地を削ってつくってしまった
郊外住宅地、今度はここに人がいなくなるようになってしまったら…、
あるいは、もしも、ここに次世代型の住宅地を再編するとしたら、既存の自然や地形は
どうインテグレイトできるのか。

昭和30年代~特に50年代を中心に形成された、ある程度住宅地形成理論の実践が
行われた住宅地を再評価(よくも悪くも客観的に)し、次世代へのあり方を考える、
(そこには、様々な住宅地形成技術が積み重ねられています)、

あるいは、市域の1/4を市街化調整区域として保全してきた横浜市において、
これまでは、「抑制区域」として守るだけだったこのエリアを
どのように「(市街化せずに)使う」のか、

あるいは、低炭素社会に向けて、パッシブエネルギーやそのマネジメントによって
どのように次世代型の市街地形成ができるのか、期待されます。

ぜひ、これからの都市生活、都市社会に一石を投じつつ、
実践にも結びつく、豊かな提案が出てくることを期待するばかりです。

4月11日(金)には、現地見学会を行いました。



それぞれ、住宅地は異なるようで微妙な差異があります。

歩行者専用道やフットパス、二段階植栽といった住宅地形成技術、
駅前の協調新築?であった山本理顕さんの作品でもある緑園都市駅前の諸建物
こうしたエレメントも魅力を放っています。
 
一見同じように見えるけれど、微妙に異なる住宅地のあり方、再編に向けてのヒント、クリエイティブな解法…エリアリノベーションのあり方・・・今後、一緒に考えていきたいと思います。
 
 
 

2014年4月5日土曜日

Project List 2014

さて、諸事情によりしばらくお休みしておりまして、申し訳ありませんでした。

今年度予定のUrban Design Project & Research Listです
(全てではありません)。

1.■「大田クリエイティブタウン研究会」(東京都大田区)【2009~】
 首都大学東京・東京大学・横浜国立大学・大田観光協会を中心にして、
 「モノづくりのまちづくり」に関するプロジェクト活動を進めています。
 超高度なモノづくり技術を内包しながらも経済状況により将来像の見えない中、
 都市の「価値」をクリエイトする新たなまちのあり方を考えています。

 ▼おおたオープンファクトリー:年一度の町工場一斉公開イベント 
 ▼「くりらぼ(クリエイティブタウンラボ)多摩川」運営:町工場を改修した創造活動拠点
 ▼クリエイティブタウンデザインセンター設置検討など
 ▼モノづくりのまちの不動産ストック研究・工場町家研究・工場アパート研究

 詳しくは、

  http://www.comp.tmu.ac.jp/ssm/mono/openfactory.html

 へGo!

2.■ストリートマネジメントを考える(みち-まちプロジェクト)
1)■復興市街地のストリートマネジメント(石巻市市役所大通り)【2013~】
 被災地復興の事業として行われる、中心市街地の土地区画整理事業・街路拡幅に伴う、
 街路・沿道地域再生、空地マネジメントの検討です。
 昨年度は地域の方々と「まちづくり手帖」を作成しました。今年度はこれを受けて、実際の
 空間整備や活動展開の段階に入ります。

2)■旧東海道の景観・にぎわいづくり(IN BETWEEN CITY PJ:横浜市保土ヶ谷区)【2013~】
 横浜国立大学のおひざ元、保土ヶ谷区は、都市でもない郊外でもない、「間にある都市」。
 しかし、そんな保土ヶ谷ならでは魅力はここそこに眠っています。中長期的には、保土ヶ谷区
 のビジョン策定を見据えつつ、今年度は、旧東海道のにぎわいづくりを検討します。
 地域実践教育研究センターとともに進めるプロジェクトです。
 ▼保土ヶ谷西口商店街(旧東海道)での「ほどわごん」設置検討
 ▼地域資源の発掘と再活性化のための「ほどほどマップ」「がやがやツアー」の検討
 などを検討中です。

3)□「くらにわ」プロジェクト(福島県喜多方市)【2005~】
 磐梯山の奥、飯豊連峰に囲まれた会津盆地にある蔵とラーメンで著名なまち。
 こちらも2005年からいろんなまちづくり活動のお手伝いをしてきました。
 市街地の中心ストリートふれあい通りや小田付蔵通り近辺の「くらにわ」検討や
 「みち」と「まち」の関係について考えてゆきます。

4)□松山市のあるいて暮らせるまちづくり(愛媛県松山市)【2011?~?】
 「あるいて暮らせるまちづくり」を標榜して、コンパクトな都市像を打ち立てる松山市の
 まちづくり戦略をお手伝いしています。今年度はお休みかも。

3.■郊外住宅地の未来を考える(横浜市・相鉄HD)【2013~】
 相鉄いずみ野線沿線において、縮減時代における新たな郊外都市ビジョンを検討し、
 民間企業(相鉄HD等)とも協働して、新たなプロジェクトを検討します。
 新たな住宅地デザインの再編、農的空間の暮らし、そこでの環境ライフなどを考えます。
 大学院「環境都市デザインスタジオ」とも連動。

4.■「中山間地域の再編:地域マネジメント計画づくり&実践」(岐阜県高山市)【2008~】
 毎年、少しずつテーマや場所は異なりますが、いろんなお手伝いをしています。
 H22年度は、荘川町一色惣則地区(荘川式の合掌造りや豊かな水のある農村集落)
 H23-25年度は、上宝町長倉地区(「天空の城」ともいうべき斜面にはりつく農村集落)を舞台に、
 持続的な地域のあり方を考える、地域マネジメント計画を、地域の方々と考え、近年は、
 その中でも、地域の方々に人気のあった「うちあかり」という取組の実践に向けて動きました。
 今年度は、地域計画のあり方モデル研究と、移動販売に関する検討を考えています。

5.□岩手県九戸郡洋野町(旧大野村)【2003~】
 「芝棟」と呼ばれる草の生えた棟をもつ茅葺民家が70棟近く残る中山間地域です。
 2003年から、地域づくり活動のお手伝いをしています。
 昨年度は、本学の建築史建築芸術研究室とともに、
 壊れてなくなってしまいそうな茅葺を修復するための技術を取り戻すための講習会を実施。
 今年度はまだ未定です。。。

【研究】
A. 大田区景観まちづくりに関する制度支援関連研究
→これに関連した、景観計画・景観条例等制度に関連する「表彰制度」の実態と効果

B.Open City研究
→建築をまちに「開く」取組みに関する研究
→建築・都市を一斉に公開するオープンシティイベント研究【季刊まちづくり37号参照】


C.国内外の創造都市研究

D.「地域ガバナンスと都市デザインマネジメント」資料収集

ということで、今年度もよろしくお願いいたします。