ヨーロッパでは、9月の土日になると、各都市で、歴史的記念物の公開が行われます。
「歴史的記念物の日」(European Heritage Day/Journees du Patrimoine)と呼ばれるこのイベントは、普段入ることのできない歴史的建造物等が、9月中下旬の土日二日間程度、無料で一斉公開になるイベントです。
1984年にフランスに始まり、その後諸国に広まった後、1991年、欧州評議会(Council of Europe)によって、ヨーロッパ全体の取組みとして位置付けられ、今日に至るイベントです。
今年のフランスでの歴史的記念物の日のテーマは、「隠された遺産」ということで、地下遺産、普段見られないもの、埋もれた遺産などが公開されます。
パリでは、今年は、9月15-16日の土日に行われています。
新聞風のプログラムには、300に及ぶパリ市内の施設と、そのほかパリ郊外の施設が掲載されており、その中には、この日のために特別公開される建物なども含まれています。
朝からHotel de Ville(パリ市庁舎)には、公開を待つ長い列が並んでいます。
中に入ると、普段入ることのできない、荘厳な大空間が広がっています。
市長の執務室や議場などを観覧しつつ、
広間では、市庁舎を普段から守る、清掃、床、看板、鍵、椅子などの職人が、普段自分たちが行っている職人としての仕事について語ってくれました。伝統だけでなく、こうした建物が様々な職人たちの手によって今でも小さく手を加えられていることがよくわかります。写真は、「床職人」の仕事。
また、まちなかでは、中世に建てられた、小さな邸宅、ハーフティンバーのファサードが見える
中庭などを特別公開していました。
中では、こうした建物の保全活動を行う中間組織(アソシアシオン)の方が詳しく解説をしてくれました。
リヨン駅(Gare de Lyon)では、普段入ることのできない時計塔にのぼり、時計塔の歴史と駅の変遷についてのレクチャーをうけ、リヨン駅から旅行を促す長いフレスコ画についての解説を聞きました。時計塔は、バスティーユからも見えるように、通りの軸線に合わせた位置に建てられています。
積み重なる都市の魅力を紐解くために歴史的建造物を巡り、都市の歴史を学び、
愛着を産むための取組みがヨーロッパの都市中に広がっています。
2012年9月16日日曜日
2012年9月12日水曜日
楽しい学会の見方・使い方
本日より3日間、日本建築学会の大会が開催されています。
今年は、東海大会ということで、名古屋大学で開催されています。
例年、建築学会の本を入れたビニール袋をもつ学会員が都市中をうろうろするので、
それをみると、似た者同士を感じます(今年はコスト削減化で、袋の配布は廃止されたみたい)。
小さな都市だと、町中が学会員で溢れます。朝の移動、交通機関も大変です。
【学会で資料集を買おう】
まず、初日の朝に受付に行き、大会登録をすると横に、
大会の研究会やパネルディスカッションで使用される資料集の販売所があります。
この資料集が、先端情報が掲載され、非常に充実しているので、
みんなまずは、この購入に走ります。すぐ売り切れてしまうので、最初にやることです。
【学会発表】
準備ができたら、いよいよ、学会参加です。キャンパス内を地図を見ながら歩いていると、
関係する分野の全国からやってきているので、犬も歩けば棒にあたる状態で
いろんな人に出会い、間接的なおともだちも広がってゆきます。
各分野ごとに部屋が数室用意されて、発表が5-6編で一カテゴリーとなって行われているので、
興味あるもの、聞きたいもの、知り合いのモノなどを聞きに行きます。
もちろん、自分の発表がメインであり、また、とりまとめの司会、タイムキーパーな副司会の
担当がある場合は、担当の用務を行います。
自らの発表で、会場から(多くは司会から)質問やコメントをいただいたら、発表後にご挨拶して、
さらなる補足コメントをいただいたり、名刺交換することで、研究に関するさらなるネットワークが
広がります。
【研究協議会やパネルディスカッション】
また、これとはほかに、様々な分野で、研究懇談会やパネルディスカッションが企画されており、
様々なテーマの講演に対して、その分野の第一人者や先端的研究を行っている研究者、
実務家による報告や討論を聞くことができます。
これまでは、一日目の午後から三日目の午前に多かったディスカッションですが、近年は、
テーマも多く、三日間じゅう何かが行われていますから、是非、興味のあるディスカッションを
聞いてみてはいかがでしょうか。
(今年度は、(初日ですが)鈴木博之先生、陣内秀信先生、後藤春彦先生、西村幸夫先生、
布野修司先生などの大御所が集まるセッションもありました)
また、そのほかにも、ポスターセッションや、建築学会のコンペの公開審査や授賞式、
全国の卒業設計展、本日は、槇文彦氏の記念講演会もありました。
【まちを巡る】
そして、せっかく各地域からやってきているので、大会の行われる地域のまちを
散策しに、ちょっと学会を抜け出す場合も少々(いや、多々)あります。
名古屋の各地域や白壁地区などを巡ったり、
名古屋からちょっと足を延ばして、岡崎、足助、豊田、伊勢方面などなど
魅力あるまちを巡れます。
【懇親、交流】
そして、夜は、たいてい、懇親会です。
各学会の都市の繁華街を訪れ、地域経済にちょっとだけ貢献しつつ、
各都市のまちの活気を味わいます(名古屋では、駅近くの数少なく
残された町家等のリノベーションによる居酒屋などが人気)。
たいてい二日目に各分野の委員会の懇親会があり、関係者が集まるので、
その後二次会などが開かれたり、一日目には、研究室や元研究室などの知人
同士のネットワークで懇親することなどが多くあります。
同じ分野違う分野の様々な人たちが一手に集まるので、この場で
新たな出会いやネットワークも広がります。
(私の場合、以前、毎回学会の飲み会だけでしか会わない方などもいらっしゃいました)。
ということで、それなりにかかる学会参加費を存分に味わう、
「楽しい学会の見方・使い方」、でした。
今年は、東海大会ということで、名古屋大学で開催されています。
例年、建築学会の本を入れたビニール袋をもつ学会員が都市中をうろうろするので、
それをみると、似た者同士を感じます(今年はコスト削減化で、袋の配布は廃止されたみたい)。
小さな都市だと、町中が学会員で溢れます。朝の移動、交通機関も大変です。
【学会で資料集を買おう】
まず、初日の朝に受付に行き、大会登録をすると横に、
大会の研究会やパネルディスカッションで使用される資料集の販売所があります。
この資料集が、先端情報が掲載され、非常に充実しているので、
みんなまずは、この購入に走ります。すぐ売り切れてしまうので、最初にやることです。
【学会発表】
準備ができたら、いよいよ、学会参加です。キャンパス内を地図を見ながら歩いていると、
関係する分野の全国からやってきているので、犬も歩けば棒にあたる状態で
いろんな人に出会い、間接的なおともだちも広がってゆきます。
各分野ごとに部屋が数室用意されて、発表が5-6編で一カテゴリーとなって行われているので、
興味あるもの、聞きたいもの、知り合いのモノなどを聞きに行きます。
もちろん、自分の発表がメインであり、また、とりまとめの司会、タイムキーパーな副司会の
担当がある場合は、担当の用務を行います。
自らの発表で、会場から(多くは司会から)質問やコメントをいただいたら、発表後にご挨拶して、
さらなる補足コメントをいただいたり、名刺交換することで、研究に関するさらなるネットワークが
広がります。
【研究協議会やパネルディスカッション】
また、これとはほかに、様々な分野で、研究懇談会やパネルディスカッションが企画されており、
様々なテーマの講演に対して、その分野の第一人者や先端的研究を行っている研究者、
実務家による報告や討論を聞くことができます。
これまでは、一日目の午後から三日目の午前に多かったディスカッションですが、近年は、
テーマも多く、三日間じゅう何かが行われていますから、是非、興味のあるディスカッションを
聞いてみてはいかがでしょうか。
(今年度は、(初日ですが)鈴木博之先生、陣内秀信先生、後藤春彦先生、西村幸夫先生、
布野修司先生などの大御所が集まるセッションもありました)
また、そのほかにも、ポスターセッションや、建築学会のコンペの公開審査や授賞式、
全国の卒業設計展、本日は、槇文彦氏の記念講演会もありました。
【まちを巡る】
そして、せっかく各地域からやってきているので、大会の行われる地域のまちを
散策しに、ちょっと学会を抜け出す場合も少々(いや、多々)あります。
名古屋の各地域や白壁地区などを巡ったり、
名古屋からちょっと足を延ばして、岡崎、足助、豊田、伊勢方面などなど
魅力あるまちを巡れます。
【懇親、交流】
そして、夜は、たいてい、懇親会です。
各学会の都市の繁華街を訪れ、地域経済にちょっとだけ貢献しつつ、
各都市のまちの活気を味わいます(名古屋では、駅近くの数少なく
残された町家等のリノベーションによる居酒屋などが人気)。
たいてい二日目に各分野の委員会の懇親会があり、関係者が集まるので、
その後二次会などが開かれたり、一日目には、研究室や元研究室などの知人
同士のネットワークで懇親することなどが多くあります。
同じ分野違う分野の様々な人たちが一手に集まるので、この場で
新たな出会いやネットワークも広がります。
(私の場合、以前、毎回学会の飲み会だけでしか会わない方などもいらっしゃいました)。
ということで、それなりにかかる学会参加費を存分に味わう、
「楽しい学会の見方・使い方」、でした。
2012年9月10日月曜日
シャレットワークショップ終了
昨日(9/9)、前項の日本建築学会、シャレットワークショップ(in 三重県松阪市)が終了しました。
5日間、まちあるきにレクチャー、チーム決めに中間発表、追い込みに最終発表と
濃密なスケジュールですが、参加した皆様、お疲れ様でした。
最終発表会は、景観シンポジウムとセットで行われ、数十名を超える市民の方々、
行政の職員のみなさん、そして、松阪市長・副市長もお見えになる中で行われました
(後半のシンポジウムは市長自らコーディネータを行いました)。
市に寄贈が予定されている町家・屋敷の活用提案も含めて、市長からは、
「『参考にさせていただく』というよりも、議論の前提にさせていただく」という、
うれしいお言葉をいただくこともできました。
発表は、前項の通り、マスタープランチームと各地域チームに分かれましたが、
Aチーム(全体マスタープランチーム):通(みち)と核の強化による「みえるまつさか」
(それぞれのゾーニングの骨となっている特徴的な「みち」の性格を際立たせ、そのみちの結節点をデザインして全体を有機的に結び付ける提案)
Bチーム(駅前周辺チーム):駅舎及び駅前広場を「人」のための場所にリニューアルし、駅前の公共図書館および駅前店舗群ビルのリノベーションによる駅前再編集の提案
Cチーム(寺社地チーム):寺町を走る職人町通りの空き地空間に、職人の技術と知識を生かした職業訓練なども含めた寺子屋をビルトインする提案
Dチーム(町人地チーム):江戸に店を構えた豪商たちの町の空き空間を桜(本居宣長にちなみ)や施行など柔らかに包み込むとともに、豪商のお屋敷を保全・保管・展示・活用・体験・貸室・食などを組み合わせて再活性化する提案
Eチーム(武家地チーム):槇垣の美しい武家地の空気を受け継ぐ住まい空間のまちなみ作法と総合的な改修マネジメントシステム、そして、ルールの崩れつつある隣接街区も含めた居住空間のあり方提案
と、それぞれ工夫ある提案を市長をはじめ市民・行政のみなさんに伝えることができたのではないでしょうか(あえて言えば、もう少し空間デザインに昇華できるとよかったですが)。
あとは、こうしたあり方が少しでも次のまちの未来につながることを祈るばかりです。
この結果は、日本建築学会東海大会(9/12~14、於:名古屋大学)において、
二日目(9/13)の午前中に、シャレットワークショップの講評会として聞くことができます。
また、大会期間中、パネル展示も行われる予定です。
5日間、まちあるきにレクチャー、チーム決めに中間発表、追い込みに最終発表と
濃密なスケジュールですが、参加した皆様、お疲れ様でした。
最終発表会は、景観シンポジウムとセットで行われ、数十名を超える市民の方々、
行政の職員のみなさん、そして、松阪市長・副市長もお見えになる中で行われました
(後半のシンポジウムは市長自らコーディネータを行いました)。
市に寄贈が予定されている町家・屋敷の活用提案も含めて、市長からは、
「『参考にさせていただく』というよりも、議論の前提にさせていただく」という、
うれしいお言葉をいただくこともできました。
発表は、前項の通り、マスタープランチームと各地域チームに分かれましたが、
Aチーム(全体マスタープランチーム):通(みち)と核の強化による「みえるまつさか」
(それぞれのゾーニングの骨となっている特徴的な「みち」の性格を際立たせ、そのみちの結節点をデザインして全体を有機的に結び付ける提案)
Bチーム(駅前周辺チーム):駅舎及び駅前広場を「人」のための場所にリニューアルし、駅前の公共図書館および駅前店舗群ビルのリノベーションによる駅前再編集の提案
Cチーム(寺社地チーム):寺町を走る職人町通りの空き地空間に、職人の技術と知識を生かした職業訓練なども含めた寺子屋をビルトインする提案
Dチーム(町人地チーム):江戸に店を構えた豪商たちの町の空き空間を桜(本居宣長にちなみ)や施行など柔らかに包み込むとともに、豪商のお屋敷を保全・保管・展示・活用・体験・貸室・食などを組み合わせて再活性化する提案
Eチーム(武家地チーム):槇垣の美しい武家地の空気を受け継ぐ住まい空間のまちなみ作法と総合的な改修マネジメントシステム、そして、ルールの崩れつつある隣接街区も含めた居住空間のあり方提案
と、それぞれ工夫ある提案を市長をはじめ市民・行政のみなさんに伝えることができたのではないでしょうか(あえて言えば、もう少し空間デザインに昇華できるとよかったですが)。
あとは、こうしたあり方が少しでも次のまちの未来につながることを祈るばかりです。
この結果は、日本建築学会東海大会(9/12~14、於:名古屋大学)において、
二日目(9/13)の午前中に、シャレットワークショップの講評会として聞くことができます。
また、大会期間中、パネル展示も行われる予定です。
2012年9月7日金曜日
シャレットワークショップ開始
9月5日より、いよいよ日本建築学会シャレットワークショップがスタートしました。
以前お話しした通り、 今回のシャレットは、三重県松阪市で行われています。
北は弘前、南は山口から建築・まちづくりなどを学ぶ大学生・大学院生、
総勢23名で夜通し議論や計画提案を進めています。
蒲生氏郷によって開かれた城下町松坂は、
城下町の特徴をよく表す扇形の都市構造(城郭・武家地・町人地・寺社地)と、
これを貫く二本の直交する街道筋(伊勢参りの参宮街道と、紀州徳川藩へ向かう紀州街道)が組み込まれた計画的な都市構造に、近代以降の駅前空間がさらに重なりあって出来上がっています。
橋を超えるとまっすぐと続く参宮街道は、伊勢参りの時は最大7万人/日も通ることもあったとのこと。今では、空き地も増えていますが、当時の参宮街道の面影を感じるとともに、街の南端に歓楽街があり、北端にはお寿司屋や旅館が残るのは、かつての黒門付近にあった遊廓の痕跡も偲ばせます。
また、松阪は、三井家をはじめとして、小津家・長谷川家・長井家など、江戸に店を構える豪商の郷でもあり、民間の力を感じるとともに、御城番屋敷と呼ばれる元武家たちが集まって作った郷士会社によるコーポラティブハウジングの先駆となるような住居もあり、現在のまちづくりの主流であるエリアマネジメントの萌芽をすでに有しているところが特徴でもあります。
さらには、松坂の木綿商の家に生まれ、町医者をしながら、国学者として活躍した本居宣長の暮らしをトレースすると、まちに眠る潜在的な糸が見えてくるかもしれません。
現在、中間発表に向けて、5つのチーム
A:全体マスタープラン
B:駅前周辺と再開発ビルを含めた駅間リニューアル
C:寺社地とフリンジ空間
D:町人地と豪商の家再編
E:武家屋敷と武家地活用
のようなグループに分かれて、各自提案を進めています。
初日には、松阪市長(若い!)との会合・懇親をフランクにしてくださり、
中間発表にもおいでになられる予定です。
(写真はなぜかUPできないので、そのうち更新予定)
以前お話しした通り、 今回のシャレットは、三重県松阪市で行われています。
北は弘前、南は山口から建築・まちづくりなどを学ぶ大学生・大学院生、
総勢23名で夜通し議論や計画提案を進めています。
蒲生氏郷によって開かれた城下町松坂は、
城下町の特徴をよく表す扇形の都市構造(城郭・武家地・町人地・寺社地)と、
これを貫く二本の直交する街道筋(伊勢参りの参宮街道と、紀州徳川藩へ向かう紀州街道)が組み込まれた計画的な都市構造に、近代以降の駅前空間がさらに重なりあって出来上がっています。
橋を超えるとまっすぐと続く参宮街道は、伊勢参りの時は最大7万人/日も通ることもあったとのこと。今では、空き地も増えていますが、当時の参宮街道の面影を感じるとともに、街の南端に歓楽街があり、北端にはお寿司屋や旅館が残るのは、かつての黒門付近にあった遊廓の痕跡も偲ばせます。
また、松阪は、三井家をはじめとして、小津家・長谷川家・長井家など、江戸に店を構える豪商の郷でもあり、民間の力を感じるとともに、御城番屋敷と呼ばれる元武家たちが集まって作った郷士会社によるコーポラティブハウジングの先駆となるような住居もあり、現在のまちづくりの主流であるエリアマネジメントの萌芽をすでに有しているところが特徴でもあります。
さらには、松坂の木綿商の家に生まれ、町医者をしながら、国学者として活躍した本居宣長の暮らしをトレースすると、まちに眠る潜在的な糸が見えてくるかもしれません。
現在、中間発表に向けて、5つのチーム
A:全体マスタープラン
B:駅前周辺と再開発ビルを含めた駅間リニューアル
C:寺社地とフリンジ空間
D:町人地と豪商の家再編
E:武家屋敷と武家地活用
のようなグループに分かれて、各自提案を進めています。
初日には、松阪市長(若い!)との会合・懇親をフランクにしてくださり、
中間発表にもおいでになられる予定です。
(写真はなぜかUPできないので、そのうち更新予定)
2012年8月31日金曜日
YCCスクール開校
去る、8月30日、ヨコハマ創造都市センター(通称YCC)にて、「YCCスクール」の開校式が
執り行われました。
「YCCスクール」とは、横浜国立大学、横浜市立大学、横浜市、横浜市芸術文化振興財団の4者が連携して、「創造都市・横浜」をテーマに、次世代の担い手育成、共同研究や教育活動などをおこなってゆくプログラムのことです。
昨年度末まで、「北仲スクール」と呼ばれる、文化芸術と都市デザインの研究教育プログラムが行われていましたが、その精神を受け継ぎながら、創造都市に関する取り組みを進めてゆくものです。
まだ走り始めたばかりなので、具体的なあり方はこれからですが、今年度は、
連続講義(都市計画特論:横浜市大鈴木伸治先生)や、シンポジウム(都市イノベーションシンポジウム)、展覧会、ワークショップなどが予定されています。
まず、そのこけら落とし第一弾として、
「失われた街 -3.11のための模型復元プロジェクト」展が本日(8/31)から開催されています。
主に首都圏の大学生によって作成された、東北の町や三陸海岸の集落再現模型が展示されていrます。
このほかにも、毎日、トークイベントが開催され、
被災地(気仙沼市大沢地区)からの報告や、ヨコハマでの復興の取り組み、横浜と石巻のコラボらレーションなど、様々なイベントが用意されています。
明日(9/1)には、YCCスクール・アーキエイドシンポジウム「被災地で大学・専門家ができること」が
18時~20時で開催されます。
予約等もあるようですので、
http://www.losthomes.jp/yokohama/
のサイトをご覧ください。
執り行われました。
「YCCスクール」とは、横浜国立大学、横浜市立大学、横浜市、横浜市芸術文化振興財団の4者が連携して、「創造都市・横浜」をテーマに、次世代の担い手育成、共同研究や教育活動などをおこなってゆくプログラムのことです。
昨年度末まで、「北仲スクール」と呼ばれる、文化芸術と都市デザインの研究教育プログラムが行われていましたが、その精神を受け継ぎながら、創造都市に関する取り組みを進めてゆくものです。
まだ走り始めたばかりなので、具体的なあり方はこれからですが、今年度は、
連続講義(都市計画特論:横浜市大鈴木伸治先生)や、シンポジウム(都市イノベーションシンポジウム)、展覧会、ワークショップなどが予定されています。
まず、そのこけら落とし第一弾として、
「失われた街 -3.11のための模型復元プロジェクト」展が本日(8/31)から開催されています。
主に首都圏の大学生によって作成された、東北の町や三陸海岸の集落再現模型が展示されていrます。
このほかにも、毎日、トークイベントが開催され、
被災地(気仙沼市大沢地区)からの報告や、ヨコハマでの復興の取り組み、横浜と石巻のコラボらレーションなど、様々なイベントが用意されています。
明日(9/1)には、YCCスクール・アーキエイドシンポジウム「被災地で大学・専門家ができること」が
18時~20時で開催されます。
予約等もあるようですので、
http://www.losthomes.jp/yokohama/
のサイトをご覧ください。
2012年8月19日日曜日
デザインソウル(その2)
前回の続きです。
清渓川の一部に、高速道路の高架の橋梁が残されているところがありました。
ここに高速があったこと、そして、自由の場が生まれたことが示されています。
一方で、清渓川の水は、ポンプアップして浄化したものを改めて流しているようで、
自然ではない部分もあるようです。
そして、ソウルの自由と活気は、平日でも24時間に渡るようです。
夜遅くなっても、にぎわいは減ることなく、活気が溢れています。
また、各地域至るところに、美術館、ギャラリー、オルタナティブスペースなどが
溢れており、どこに行っても、文化的な空間に遭遇することができます。
その運営は、民間企業や小さなギャラリーのような民間空間に始まり、
財団(ソウル芸術文化財団)などが運営するアートスペースにいたるまで、
様々な空間が広がっています。
企業が運営する美術館に(西村地区)、
小さなギャラリーにある草間彌生の展示(西村地区)、
アートスペースなど。
韓国語では「パ(ル)リパ(ル)リ」(早く早く)という言葉があるようですが、
いいと決めたら、すぐに実行する、どんどん広がるスピード感があるのかもしれません。
清渓川の一部に、高速道路の高架の橋梁が残されているところがありました。
ここに高速があったこと、そして、自由の場が生まれたことが示されています。
一方で、清渓川の水は、ポンプアップして浄化したものを改めて流しているようで、
自然ではない部分もあるようです。
そして、ソウルの自由と活気は、平日でも24時間に渡るようです。
夜遅くなっても、にぎわいは減ることなく、活気が溢れています。
また、各地域至るところに、美術館、ギャラリー、オルタナティブスペースなどが
溢れており、どこに行っても、文化的な空間に遭遇することができます。
その運営は、民間企業や小さなギャラリーのような民間空間に始まり、
財団(ソウル芸術文化財団)などが運営するアートスペースにいたるまで、
様々な空間が広がっています。
企業が運営する美術館に(西村地区)、
小さなギャラリーにある草間彌生の展示(西村地区)、
アートスペースなど。
韓国語では「パ(ル)リパ(ル)リ」(早く早く)という言葉があるようですが、
いいと決めたら、すぐに実行する、どんどん広がるスピード感があるのかもしれません。
2012年8月14日火曜日
デザインソウル(その1)
サッカー、バレーと、ロンドンオリンピックの場でライバルと熱戦を繰り広げた日韓戦。
都市デザインや創造都市としても、両国の各都市は、熱戦を繰り広げています。
李明博大統領が市長時代から、都市デザインを契機とするデザイン政策の展開を始めたソウルでは、様々なレベルでのクリエイティブな取組みが花開いています。
2003年から2005年にかけて、高速道路を撤去して市民の憩いの場として蘇ったことで有名な
清渓川には、平日休日問わず人が集まり、夜でもたくさんの人が水辺に集まっています。
ソウル市は、李市長ののち、呉市長のもとで、「デザインソウル」政策をさらが開始され、、
2010年世界デザイン首都に選定されてからは、さらなる発展を遂げているとともに、
来年には、ソウルデザイン財団が運営する、ザハ・ハディド設計のデザイン産業総合施設(デザインに関する展示・コンベンション・情報他の総合センター)として東大門デザインプラザ(DDP)が竣工を迎える予定であり、きっと世界に誇るデザイン空間ができあがることでしょう。
何より、ソウルのデザインを支えているのは、市民の活気とにぎわい、民の力です。
80年代以降、ソウル大学の跡地に、非常にたくさんの演劇の場が集積した劇場街、大学路(テハンノ)は、休日でもたくさんの若者で盛り上がりを見せています。若者がチケット売りに奔走するその姿に、若者が自由に(かつ能動的に)活動できるにぎわいの場を感じます。
一方、その周辺の市街地では、生活改善とアートの融合した梨花洞駱山プロジェクト、
トラックに載せた記事が丘に運ばれ、丘の町工場でつくられたものが東大門のファッションマーケットで売られ、そこでの職人の飲食店が麓に並ぶような、ファッション産業街など、
決して洗練されたものではないですが、自由な空気が新たなクリエイティブの風をふかせる活気を感じることができます。
「都市の空気は自由にする」(意味と背景は異なりますが)、中世都市に向けたこの言葉は、今の都市を見ても心に刻み込まれます。
都市デザインや創造都市としても、両国の各都市は、熱戦を繰り広げています。
李明博大統領が市長時代から、都市デザインを契機とするデザイン政策の展開を始めたソウルでは、様々なレベルでのクリエイティブな取組みが花開いています。
2003年から2005年にかけて、高速道路を撤去して市民の憩いの場として蘇ったことで有名な
清渓川には、平日休日問わず人が集まり、夜でもたくさんの人が水辺に集まっています。
ソウル市は、李市長ののち、呉市長のもとで、「デザインソウル」政策をさらが開始され、、
2010年世界デザイン首都に選定されてからは、さらなる発展を遂げているとともに、
来年には、ソウルデザイン財団が運営する、ザハ・ハディド設計のデザイン産業総合施設(デザインに関する展示・コンベンション・情報他の総合センター)として東大門デザインプラザ(DDP)が竣工を迎える予定であり、きっと世界に誇るデザイン空間ができあがることでしょう。
何より、ソウルのデザインを支えているのは、市民の活気とにぎわい、民の力です。
80年代以降、ソウル大学の跡地に、非常にたくさんの演劇の場が集積した劇場街、大学路(テハンノ)は、休日でもたくさんの若者で盛り上がりを見せています。若者がチケット売りに奔走するその姿に、若者が自由に(かつ能動的に)活動できるにぎわいの場を感じます。
一方、その周辺の市街地では、生活改善とアートの融合した梨花洞駱山プロジェクト、
トラックに載せた記事が丘に運ばれ、丘の町工場でつくられたものが東大門のファッションマーケットで売られ、そこでの職人の飲食店が麓に並ぶような、ファッション産業街など、
決して洗練されたものではないですが、自由な空気が新たなクリエイティブの風をふかせる活気を感じることができます。
「都市の空気は自由にする」(意味と背景は異なりますが)、中世都市に向けたこの言葉は、今の都市を見ても心に刻み込まれます。
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