2013年8月12日月曜日

みちのまちづくり(「みちまち」PJ)

久々の更新です。

現在、研究室の有志と、宮城県石巻市のまちなかにある
「市役所大通り」(と言っても、市役所は現在駅近くにあるため、
旧市役所大通りともいうべき)の「まちなみ委員会」のお手伝いをしています。
みちのあり方と沿道のまちなみのあり方を、地域の方々(商店主・地権者等)・
行政・まちづくり会社(まちづくりまんぼう)とともに考える勉強会です。

市役所大通りでは、震災前から都市計画道路としての計画がありましたが、
震災後は、その先にある日和山や公民館への避難の経路、
歩行者の安全な非難、緊急車両の通行などを平時にも
隣接する小学校への歩行安全性などが加味されて、周辺の街区と
併せて土地区画整理事業の中で、道路が改めて拡幅されることになりそうです。

そこでは、まずは、みちのまちづくりの事例紹介をした上で、
まちのコンセプトと通りのあり方をWSで意見しあい、


通りのあり方のアイデアの意見交換をした上で、


検討模型を使いながら、みちと沿道のカタチを話し合いました。


(今後はこれを基に、街並みの作法とソフトのあり方を話し合う予定)。

これまでの都市計画の考え方の中では、モータリゼーションも発達する中で、
道路の公共性というのは、スムーズな交通処理と安全な通行であったかと思います。
従って、その通りが通る地域の地域性よりも、ネットワーク全体の
公共性が優先され、地域の意向よりも上位の意思決定が優先されてきています。

縮減時代においては、この交通量も人口減少に合わせて頭打ちに
有る可能性、そして、そもそも事業を実施してゆく体力低下なども合わさると、
今後、貴重な空間・貴重な事業をどのように活かしきれるかが、都市運営・都市経営
の観点からも重要となってきます。

これまでの経験では、福島県喜多方市のまちづくりでは、
様々な「みち」をきっかけにした街づくりを試みてきました。
都市計画道路の拡幅をせずに、地域資源である蔵も多く残るみちを
街路事業で無電中化+無散水消雪化を図りつつ、沿道ファサード整備を
行いつつ、無電中化に伴うトランス置き場をポケットパークとして整備する
「くらにわ」プロジェクトも進んでいます。


また、幅員が20m広がった沿道を考える「(喜多方)駅前通り」の建築のあり方検討


これまでの都市計画によって広がることが決定した「市役所通り」のあり方
(実現せず)

拡幅事業等は行われないが、魅力的な地域資源が連続するみち(おたづき蔵通り)のあり方検討



また、松山市では、伊予鉄松山市駅と堀之内(旧松山城跡)を結ぶ幅員40m弱の
「花園町通り」の断面構成を再検討しながら、歩いて楽しく、有効に使える
魅力ある都市資源としての外部空間が目標とされる検討をしています。


みちは、通るだけでなく、貴重な「外部空間」であり、
この外部空間をどのように価値づけできるか、地域のモノとできるか、
施設や建築物で価値づけするのが、需要や経済的事情により難しくなる
この時代だからこそ、非常に重要になってきます。

また、今年度は、保土ヶ谷区の旧東海道の道のあり方を考える予定です。

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