2012年10月2日火曜日

「アーバンデザインセンター」刊行!

アーバンデザイン研究会編著『アーバンデザインセンター 開かれたまちづくりの場』
(理工図書、2012.10)が刊行されました!

元横浜市都市デザイン室長で、元UDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)センター長であり、
1990年代末から2000年代、東京大学の教授、そして、横浜市参与でもあられた
故北沢猛先生が推進してきた、アーバンデザインセンター運動の集大成です。


前UDCK副センター長であり、現芝浦工業大学教授の前田先生を中心に、
アーバンデザインセンター運動の潮流と過程について整理を試みたものです
(私も少し参加させていただいています)。

「アーバンデザインセンター運動」自体は、志半ばであり、
まだ定まった概念や場所ではありませんし、広く市民に広まったものでもありません。
しかしながら、既存のまちづくり、コミュニティとはちょっと異なり(内包してもいますが)、
コミュニティディベロップメントやリージョナルプランニングのみならず、
環境とか福祉、交通、その他あらゆる空間要素を統合的にとらえ、
ここに関わる様々な主体がフラット(同等の立場で異なる役割を通して)に参画する
姿を通して問題を解いてゆくという、チャレンジングな取組みでもあります。

本書では、アーバンデザインセンターが生まれる源流として、

【1】行政の都市デザイン:人間のための空間づくりから縦割りを横割りに
【2】まちづくりの展開:ボトムアップの参加型都市づくりへの道
【3】タウンアーキテクトのような「地域」での職能

について整理し、アーバンデザインセンターが発展する過程を、

1)組織論:連携による組織改革と主体のあり方
2)職能論:専門家のまちへのかかわり方
3)拠点論:アーバンデザインを実現する「場」のつくり方

という3つの視点でとらえ、これらをバランスよく有するセンターのあり方を探っています。

つまり、このセンターは、

(1)企業や大学など組織がお互いの力を持ち出しあうためのセンターでもあり、
(2)専門家が自立して働いてゆくためのセンターでもあり、
(3)市民が気軽に都市空間にアクセスするためのセンター、

そうした「場」が目指されています。
しかも、これらが国内外に多数できることで生まれるクラウドネットワーキングの相乗効果
も併せて狙っているものです(野原解釈)。

本書で紹介されている事例の多くは、上記の点からすると
完全なるアーバンデザインセンターではないのですが、
まちづくり、職能論、拠点論、組織論などからそれぞれがもつ特徴が生かされた
センターの事例は、参考になると思います。

著者割引もききますので、よろしくお願いします。

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