さて、突然謎のタイトルです。
従来型の観光が立ち行かなくなりつつある近年、「観光」を考える上で、
いくつかの論点があります。
例えば、住んでよし、訪れてよしの町を目指す、つまり、暮らしが魅力的であれば
おのずと人も訪れるという発想(そのキーワードとしての「着地型観光」「観光まちづくり」)、
一方で、「インバウンド」(海外からの旅行者)を高める必要性と日本の発信の中での
キーワードの一つである「COOL JAPAN」、この言葉は、創造都市論の中でも
用いられます。
つい先日、TBS『情熱大陸』できゃりーぱみゅぱみゅさんの特集をやっていました。
2年もしないうちに、世界各国で大人気のようでした。
ベルギー市民に人気のライブハウスで、普通にライブをして、受け入れられている
その様子は、正にCOOL JAPANの一つかもしれません。
彼女とそれを支えるライブやパフォーマンス全体が、やはり、欧米では生まれえない
日本的な空気をもっており、その日本的なライブのしきたりに忠実に西欧のお客さん
が乗っている姿に、一人で世界を動かす力をも感じました。
しかし、きっと、これが音楽やファッションとしてマーケットに固定化されてゆく瞬間に
陳腐化されてゆくのだろう、つまり、彼女本人が常にクリエイティブであることそのものが
COOLなのであって、その結果生まれた製品は、あくまで二次商品なのだなということです。
そして、正反対のように見える、日本の農村での観光の一つ、
飛騨市古川町にある小さな旅行会社「美ら未来」主催のツーリズム。
元々外資系コンサルに勤めていた代表の山田拓さんを中心に、
飛騨里山をサイクリングで周りながら、地域資源メンテナンスを行う
ボランティア・ツーリズムが、しかも、外国人なども引き入れて行われているようです。
この活動をしながら、山田さんらは、周辺地区の古い民家をすべて訪れ、
掃除したり民家を磨いたりしながら、用水を聞いたり、空き家を見たりという
地道な活動をしながら情報ストックを得つつ、しかも磨いてきれいになるという、
本来日本の里山が持つ非常に高い価値・魅力を引き出すことで、
外国人観光客にも非常に高い評価を得る、逆タイプのCOOL JAPANではないかと
思います。
そして、この両者に共通しているものとしてのヒューマンキャピタル(人的資源)。
本質的にある価値(独自性と地域資源)、そしてこれを発現させる「人」のマッチング
が価値創出には重要な気がします。
全国各地で観光振興は競争的に展開されていますが、どこも、
客観的に地域を(しかしながら、地域に入り込んでじっくりと)見つめ、動く、
目利きができて、戦略的で臨機応変、行動的な人材は、案外少なく、こうした
人(もしくは組織・仕組み)を支援する仕組みが必要ではないかと思われます。
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