去る2月22日から24日(本日)まで、西武新宿線中井駅周辺で、
『染の小道』というイベントが開催されました(私は、23日に立ち寄りました)。
かつての中井駅周辺は、江戸郊外の「落合蛍」も飛び交うきれいな水の流れる行楽地。
江戸の染物産業も集積していたのかもしれません。
少なくとも、戦後には、妙正寺川・神田川周辺には、染物工場が集積しており、
妙正寺川で染物の作業が行われていたようです。
その後、環境や社会の変化に伴い、工場は減少していきましたが、
現在でも染物をされている若い方々が残っており、活動を続けていたようです。
(新宿区染色協議会)
しかしながら、これまで、周辺の商店街やまちとはつながっていなかった。
そんな中で、5年前(拡大されたのは3年前?)から、行われているイベントなのだそうです。
訪れると何よりもまず目につく見どころは、「川のギャラリー」。
妙正寺川の上に連なる染物の帯が川面に映り、人々の心もつながります。
そして、中井駅周辺の各商店の軒先に展示されている暖簾や染物の展示。
各店舗の方々と話をしながらつくられた、デザイナーさんや染物の職人
(およびこれを目指す学生さんなど)による染物がまちじゅうにはためきます。
道案内には、和服の学生スタッフさんは、さらに彩りを添えています。
歩いていると、横笛で奏でる「コンドルは飛んでゆく」が流れてきて、
また布のはためきにマッチしていました。
そして、地域の巻き込み方がすごい。中井の多くの商店のほか(全部で87枚ののれん)、
近くには、染物をはじめとするデザインも専攻する文化学園大学などもあり、
スタッフとして参加しているほか、目白大学などの周辺大学、
そして、自らギャラリーを有する寺社なども開放協力を行っており、
正に、まちじゅうが染まっているのでした。
そしてそして、何より、このはためいている染物につられて、
今まで気づかなかった視点を獲得するのが魅力なのです。
何とも思っていなかった妙正寺川の水面に気づき、道と駅と川の位置関係に気づき、
川沿いにあった魅力的な民家に気づき、川に向けての小さなスペースやカフェに気づき、
今まで気にもしなかった隠れ家的なお店にきづき、路地の行き止まりにあったギャラリー
に気づく。。。新鮮なまちへの気づきを感じます。
まち、人、生業(なりわい)、産業、商い、風景が統合的につながる
とてもステキなイベントでした。
かつて、自分もこの地区の景観まちづくり、景観調査に携わったことがあり、
その際には、まちを隈なく歩いていたつもりでしたが、
今まで気づかずに今回初めて知ったことがたくあんあるし、
こういう方法は思い浮かばなかったなぁ、「あっぱれ!」、
というステキなイベントでした。
関係者の皆様、お疲れ様でした。
野原さん、寒い中お越しいただきましてありがとうございました。また、とても励みになる感想、感謝です!スタッフにも伝えたところ、みなよろこんでおりました。そのうち何かの形でまとめたいと思っておりますので、その際はまたご相談いたしたいと思います。よろしくお願いします。(ひぐち)
返信削除>ひぐちさん
返信削除ずーと、自らが見逃しておりました(笑)
こちらこそ、コメントありがとうございました。
ぜひぜひ、継続発展を期待しています!