大学院の中でも、実践的「スタジオ」教育が行われています。
建築系では、建築の構造に関するスキルを高める「建築構造工学(SE)スタジオ」
歴史や計画に関わる「建築理論(AT)スタジオ」とありますが、都市環境系では、
「環境都市(UE)デザインスタジオ」を開講しています。
今年度も、「環境都市デザインスタジオ」が始まりました。
今年度のテーマは、「創造的郊外」。
横浜市・相鉄HDさんとも連携して、相鉄いずみ野線沿線の郊外まちづくりを考えます。
横浜市は、高度経済成長期、あふれる都市人口を吸収する、いわばベットタウンとして
整備された郊外住宅地が多数存在していますが、縮減時代にさしかかった現在、
これらをどのように再編・継承・縮小してゆくかが問われています。
これまで、横浜に豊かに存在した郊外の谷戸、丘陵地を削ってつくってしまった
郊外住宅地、今度はここに人がいなくなるようになってしまったら…、
あるいは、もしも、ここに次世代型の住宅地を再編するとしたら、既存の自然や地形は
どうインテグレイトできるのか。
昭和30年代~特に50年代を中心に形成された、ある程度住宅地形成理論の実践が
行われた住宅地を再評価(よくも悪くも客観的に)し、次世代へのあり方を考える、
(そこには、様々な住宅地形成技術が積み重ねられています)、
あるいは、市域の1/4を市街化調整区域として保全してきた横浜市において、
これまでは、「抑制区域」として守るだけだったこのエリアを
どのように「(市街化せずに)使う」のか、
あるいは、低炭素社会に向けて、パッシブエネルギーやそのマネジメントによって
どのように次世代型の市街地形成ができるのか、期待されます。
ぜひ、これからの都市生活、都市社会に一石を投じつつ、
実践にも結びつく、豊かな提案が出てくることを期待するばかりです。
それぞれ、住宅地は異なるようで微妙な差異があります。
歩行者専用道やフットパス、二段階植栽といった住宅地形成技術、
駅前の協調新築?であった山本理顕さんの作品でもある緑園都市駅前の諸建物
こうしたエレメントも魅力を放っています。
一見同じように見えるけれど、微妙に異なる住宅地のあり方、再編に向けてのヒント、クリエイティブな解法…エリアリノベーションのあり方・・・今後、一緒に考えていきたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿